英語の特別授業

アメリカの小学校がすごいと思うのは、英語ができない生徒用に特別教室があったことだ。
おそらく毎日、決まった時間だけ、その特別教室に行って特別メニューの授業を受けるのだ。
その特別授業で覚えているのは、Lindaという香港かもしくは台湾の女子生徒がいたこと。
何となく顔の雰囲気も覚えている。
特別授業では最後にシールをもらえた。今日もよくできました、ということだろう。
直径3cmくらいの丸いシールで、白地に1つフルーツの絵が印刷してあって、
こするとそのフルーツの匂いがするというシールだ。
そのシールは子供たちに人気があった。
シールごとにフルーツが違っていて全部で何種類もあり、毎日溜めていれば、
色々な種類のフルーツの匂いのするシールが集められるのだ。
学校側はそのシールをエサに英語を習得してもらおうという作戦だった。
ところが、そのシールは殆どいつも取り上げられていたのだ。
同じクラスに僕よりは英語のできる日本人がいて、先生の指示を教えてあげる代わりに
そのシールを差し出せということだったのだ。
先生の言っていることが分からないと困るので、
背に腹は代えられず、やむなく毎日シールを献上していた。
その日本人も特別教室に通っていたような気もする。
つまり彼自身、さほど英語がペラペラという訳でもなかったと思う。
その日本人に対して必ずしも心を許していなかった。
そもそも名前すら憶えていないし。