算数の授業

日本ではどの授業もクラス全体で進める。
理解力の高い生徒と低い生徒の両方に配慮しながら、クラス全体を対象に進める。
横並びが公平ということなのだろう。
アメリカでは、算数は少人数制だった。転校前も後も少人数制だった。
その生徒の理解度に合った課題を勉強させるのが公平という考え方だった。
年度の始めに5,6人くらいのグループ5つくらいにあらかじめ分け、
各グループを順番に呼び出しては説明と指示を出すということを繰り返す。
先生に呼び出されていない間は自習時間になる。
なので、算数の授業時間の大半は自習時間になる。

 

おそらく3年生の時だったと思う。自分のグループに名前を付けるように先生に言われた。
すると、僕のグループの誰かが"Eagles!"と即答し、それに決まった。
eagle、つまり鷲はアメリカの象徴的な動物だ。
紙幣や硬貨にもデザインされているし、アポロ計画の月着陸船も"eagle"だ。
1ドル紙幣にあしらわれている鷲の足が握りしめている矢の本数は、確か独立時の州の数と同じ13本というこだわりだ。
鷲はアメリカでは頻繁に目にする機会がある。
なるほど、アメリカ人は鷲が好きなんだなと思ったので、3年生の時の算数のグループ名だけ記憶している。

 

飛び級も普通にあった。
日本では滅多に聞かない。
というか、小学校ではまずないだろう。
全員横並びが公平なのだ。
アメリカの小学校では普通に飛び級があった。
全校生徒レベルで見れば数人程度はいたと思う。
その生徒のレベルに合わせた学習こそが公平という考え方だった。